小室 聖也
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クレジットカードを複数枚保有している方であれば、カードサイズが統一されていることを知っている方も多いのではないでしょうか?
普段何気なく使っているクレジットカードのサイズは、世界で統一されています。
今回は、クレジットカードのサイズに関する基礎知識を解説していきます。
記事では、サイズ以外に統一されていることや、国際規格とはなんなのかなどについても紹介していくので、ぜひ参考にしてください!
目次
- 1 クレジットカードのサイズは統一されている
- 2 JISとIEC、ISOの違い
- 3 クレジットカードのサイズは他のカードでも採用されている
- 4 ISO/IEC7810とISO/IEC7811の種類
- 5 ISO/IEC 7810の種類
- 6 ISO/IEC 7811の種類
- 7 クレジットカードのサイズ以外で統一されている規格ルールについて
- 8 クレジットカードに採用されているICチップ
- 9 磁気テープ(磁気ストライプ)の位置は固定されている
- 10 クレジットカードに刻印されている番号の位置は固定されている
- 11 クレジットカードの耐久性
- 12 クレジットカードのサイズが統一されている理由
- 13 クレジットカードのサイズを一緒にすることでコストカットしている
- 14 クレジットカードのサイズを一緒にすることで決済ミスを減らす
- 15 クレジットカードのサイズに関するまとめ
この記事の監修者 | 監修者詳細 |
山岸 優希 -Yuki Yamagishi- (ファイナンシャルプランナー) 日本FP協会の定めるファイナンシャルプランナーの資格を持ち、当サイトの金融系記事を監修。 ファイナンシャルプランナーの知識で、かねラボの記事を”より正しく””わかりやすい”ものにしている。 →くわしいプロフィールはこちら |
クレジットカードのサイズは統一されている
クレジットカードのサイズは発行会社が異なっても国際規格で統一されています。
- 縦:53.98mm
- 横:85.60mm
- 厚さ:0.76mm
身分証明書カードの4つの形状を定めた国際規格である「ISO/IEC7810」のうち「ID-1」が採用されています。
国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略で世界163ヵ国が参加する身分証明書カードの4つの形状を定めた国際規格の総称。日本では、アイエスオー、イソ、アイソなど複数の呼び名があります。
JISとIEC、ISOの違い
国際規格と聞くと「JIS」を思い浮かべる人も多いでしょう。
JISとISOは、日本国内か国際かの違いで、JISは、「日本工業規格」のことを指しており、ISOとはまた別の規格になります。
JISは建築や一般機械、電気・電子、土木系に分類され、分野ごとに数字で数字で規格分けしています。
また、あまり馴染みがないかもしれませんが、「IEC」は、ISOと共同しており、クレジットカードのサイズはこのIECも関わっています。
IECとは、国際電気標準会議の略称で電気工学や電子工学など技術を扱う国際団体のひとつです。
かんたんにまとめると、以下の通りです。
- ISO:海外でも共通している規格
- IEC:ISOと共同でカードサイズを開発している技術規格
- JIS:日本国内で共通している規格
クレジットカードのサイズは他のカードでも採用されている
クレジットカードのサイズは、テンプレート化されており、例えば免許証やポイントカード、VIPカードなどは、クレジットカードのサイズを採用して使われることが多いです。
以下画像は、アメックスとJCB、免許証の実際のカードサイズが同じということがわかる画像です。
もちろん、加工の仕方はクレジットカードとは異なりますが、それだけ、クレジットカードは「黄金比」に近いサイズになっています。
無意識に美しいと誰もが感じる比率のことで、縦と横の比率が1:1.618のサイズになっているロゴやカード、絵画などを指す。Apple社のロゴマークなどにも使われている比率・
見た目の美しさはもちろん、財布への収納や扱いやすさなどが優れていることから人気のサイズになっています。
ISO/IEC7810とISO/IEC7811の種類
ISO/IEC7810以外にもクレジットカードにはIEC7811の規格で統一されているルールがあり、それぞれ種類があります。
以下の章でISO/IEC 7810とISO/IEC 7811の種類を解説していきます。
ISO/IEC 7810の種類
クレジットカードのサイズは前述でISO/IEC7810のID-1が採用されていると解説しましたが、他にどのような種類があるのか以下にまとめました!
ISO/IEC 7810の種類 | サイズ | 特徴 |
ID-1 | 縦:85.60mm 横:53.98mm |
銀行のキャッシュカードやクレジットカードなどに採用されている |
ID-2 | 縦:105mm 横:74mm |
A7判の大きさ |
ID-3 | 縦:125mm 横:88mm |
B7判の大きさでパスポートやビザなどに採用されている |
ID-000 | 縦:25mm 横:15mm |
SIMカードに採用れている |
ISO/IEC7810にはID-○で表される種類が4つあり、それぞれ国際規格として様々なところで使われています。
みなさんが普段何気なく使っているカードの類はこのISO/IEC7810のいずれかに該当している場合が多いことがわかりますね!
ISO/IEC 7811の種類
ISO/IEC 7811はクレジットカードにも使われている規格のひとつです。
以下表はISO/IEC 7811の種類と特徴をまとめたものです。
ISO/IEC 7811の種類 | 規格項目 | 特徴 |
7811-1 | エンボス | カードに記載する字体や文字間隔、大きさや位置を規定するもの |
7811-2 | 磁気ストライプ (低保磁力) |
磁気ストライプの物理的特性を規定するもの |
7811-3 | エンボスの位置 | ※7811-1に統合されて廃止 |
7811-4 | 磁気ストライプ (第1トラック/第2トラック) |
※7811-2に統合されて廃止 |
7811-5 | 磁気ストライプ (第3トラック) |
※7811-2に統合されて廃止 |
7811-6 | 磁気ストライプ (高保磁力) |
7811-2の低保磁力磁気ストライプと互換性を保つための規格 |
7811-7 | 磁気ストライプ (高保磁力/高密度) |
高保磁力磁気ストライプよりも10倍の情報量を保持できる磁気ストライプ |
7811-8 | 磁気ストライプ (51.7 kA/m 650 Oeの保磁力) |
低保磁力と高保磁力の中間の磁力を持つ磁気ストライプ |
7811-9 | 接触型識別子マーク | 視力障害を持つ人に接触型の識別子マーク |
クレジットカードのサイズがISO/IEC7810によって統一されていることがわかりましたが、他にもISO/IEC7811でサイズ以外にも統一されているものがあることがわかりましたね!
具体的にどのようなルールが統一されているのかについて以下の章で詳しく解説していきます。
クレジットカードのサイズ以外で統一されている規格ルールについて
クレジットカードのサイズ以外で統一されている規格ルールは以下の4つです。
- クレジットカードに採用されているICチップ
- 磁気テープ(磁気ストライプ)の位置は固定されている
- クレジットカードに刻印されている番号の位置は固定されている
- クレジットカードの耐久性
上記4つの統一された規格について以下の章で詳しく解説していきます。
クレジットカードに採用されているICチップ
クレジットカードに搭載されている「ICチップ」は、国際規格の「ISO/IEC 7816」によって最低限のルールが標準化されています。
そもそもクレジットカードのICチップは、パソコンなどのようにCPUやメモリの機能がついており、磁気ストライプよりも記録できる容量が大きく、暗号化することも可能です。
このセキュリティ性能の高さからクレジットカードに搭載されるようになりました。
磁気テープ(磁気ストライプ)の位置は固定されている
クレジットカードには磁気ストライプが搭載されていますが、これはどのクレジットカードも位置が固定されています。
磁気ストライプはクレジットカード裏面上部にある黒い帯(アメックスゴールドは白帯)のことです。
実際に、クレジットカード3枚の磁気ストライプの位置を比較した画像があるので、以下に貼っておきますね!
上記画像をみてわかる通りクレジットカードの磁気ストライプは裏面の上部に設置してあり、固定されています。
この位置に関しても、国際規格の「ISO/IEC7811-2」により決まっています。
磁気ストライプの役割としては、クレジットカード専用の機械でスキャンすることにより、記録されているデータの読み込みや書き換えなどをすることができます。
この機械と磁気の位置を統一することにより世界中でクレジットカード決済を可能にしているのです。
クレジットカードに刻印されている番号の位置は固定されている
クレジットカードのカード番号は、表部分の中央より少ししたの位置に固定されています。
さすがに、実物の写真を載せるわけにはいかないのでイラストで解説していきます。
上記画像のように、カード番号は表面の中央よりやや下の位置に固定されています。
また、カード番号の位置以外にも、字体や文字の大きさと文字間隔なども全て統一されているのです。
クレジットカードの種類によってはカード番号の桁数が異なります。
- VISA・JCB・MasterCardは16桁(4桁*4桁*4桁*4桁)
- AMEXは15桁(4桁*6桁*5桁)
- ダイナース も14桁(4桁*6桁*4桁)
このように桁数が違うため、多少文字の間隔は異なります。
クレジットカードの耐久性
クレジットカードの「耐久性」も国際規格「ISO/IEC7810」で統一されています。
これによりクレジットカードの破損や劣化、決済時に使えない、機械の故障といったリスクを減らしています。
細かくどのように統一されているのかというと
- 曲げた時の耐久性
- 光や熱、湿度や温度へのねじれなどの耐久性
- 人体への毒性や薬品、可燃の耐久性
上記のような耐久性に対する規定がなされています。
しかし、耐久性の規定はあるにしても、100%壊れないということはありません。
もちろん、カードが曲がっていたり、欠けている、磁気やICチップに損傷などがあるとクレジットカード自体が使えなくなる他、カードを読み取る機器の故障にもつながります。
もし、クレジットカードが劣化してしまったら、なるべく早くにカード会社へ連絡し、再発行してもらうことを推奨します。
では、「なぜクレジットカードのサイズはこのように統一されているのか?」
この理由について以下の章で詳しく解説していきます。
クレジットカードのサイズが統一されている理由
クレジットカードのサイズが統一されている理由は主に2つです。
- クレジットカードのサイズを一緒にすることでコストカットしている
- クレジットカードのサイズを一緒にすることで決済ミスを減らす
上記2種類の理由について以下の章で解説していきます。
クレジットカードのサイズを一緒にすることでコストカットしている
クレジットカードのサイズを統一することでコストカットを実現できることが理由のひとつです。
クレジットカードで決済するとき、必ず専用の機械で読み取りし、決済を行います。
この決済する際に、クレジットカードのサイズが異なっていたりすると、その種類に合わせて専用の読み取り機械も増えることに繋がります。
サイズも規格もバラバラの場合、その種類に合わせた専用の機器が必要になり、クレジットカード決済を店舗に導入するハードルが高くすることに繋がります。。
なので、クレジットカードのサイズ等を国際規格で統一することで、世界中での決済を可能にしています。
この国際規格のおかげで、クレジットカードは世界中に普及したと言えます。
クレジットカードのサイズを一緒にすることで決済ミスを減らす
前述では、クレジットカードの規格がバラバラの場合、それに合わせた専用機器を準備しなければならなくることを説明しました。
実はそれ以外にも「決済ミスを減らす」という理由でサイズが統一されています。
専用機器が増えるということは、操作方法も違えば、使い方も違う機器が増え、誤操作の原因になります。
こういったクレジットカード決済のミスや使いやすさを考えた際に、統一することで、リスクを減らすことができるのです。
クレジットカードのサイズに関するまとめ
普段何気なく使っているクレジットカードですが、調べてみると奥深い発見がありましたね!
クレジットカードのサイズは、「縦:53.98mm、横:85.60mm、厚さ:0.76mm」とどのカードも統一されています。
サイズに関して言えば、黄金比と言われ、ポイントカードや免許証などにもこのサイズがテンプレートとして用いられているほどです。
クレジットカードは世界中の人々が使う決済手段であることから、サイズ以外にも磁気ストライプやカード番号の位置、ICチップ、字体や文字間隔なども国際規格で統一されています。
このようにクレジットカードのサイズや規格がされている理由は、「コストカット」や「決済ミスを減らす」の2種類が挙げらます。
この国際規格により、クレジットカードは世界中で使われる決済手段になったと言えます。